2021
05.10
05.10

ど真剣やで~福永正三先生随聞記~4
第4回 稲盛さんも、こうしてくれたからな
予定の仕事が早く終わり、福永先生が夕食をご馳走してくれることになりました。ワクワクしながらついていくと、牛丼の吉野家でした。
福永 稲盛和夫さんがご馳走してくれるときは、いつも中華そばやったわ。水を運んできてくれて、一番安い中華そばをご馳走してくれた。
秘書 ……。
福永 そばを食べ終わってからの稲盛さんはすごかったわ。「京セラをこういう会社にしたいんや」と、夢と希望を何時間も語って聞かせてくれたんや。おまんにも、わしの願いを伝えとく。稲盛さんも、こうしてくれたからな。
秘書 (カウンター席だから、早く出なければいけないのに…)
福永 心を高めることや。自分というものを大事にし、一日一日、一瞬一瞬をど真剣に生きていくことや。そうしたら、おまんの人生は大転換する。
気がつくと、1時間が過ぎていました。先生のど真剣さに引き込まれていたのです。カウンター席で支払いを終えた先生は、最後にこう言いました。
「心を高め、善きことを想い、善きことを実行すれば、おまんの運命は変わる。宿命も変わる。これが、わしが稲盛さんから教えてもらった極意や」
筆者紹介
竹嶋克之(たけしま・かつゆき)
「六花の会」事務局員。同じ寅年、阪神タイガースファン、下戸、甘党が気に入られ、福永正三講師の指名で秘書を務める。福永講師と全国を旅し、立正佼成会の「仏教経営者塾」を運営した。また、福永講師がコンサルを務めた盛和塾(稲盛和夫塾長、2019年閉塾)経営者とのネットワークづくりも担った。