2021
11.11

ど真剣やで~福永正三先生随聞記~10(最終回)

分かち合い

第10回(最終回) ど真剣に生きたから、ほんとに楽しい人生やったわ

 余命八か月の告知を受けても、福永先生は東奔西走して、「仏教経営者塾」の講師を務めました。最後は、ワゴン車に布団を敷き、横になって移動しました。
 車椅子から海を眺めていたときのことです。

福永 わしの寿命も、あとわずかや。
秘書 先生!そんなこと言わんといてください。
福永 わしは、末期癌の女房の病室に寝泊まりして看取ったから、よーわかるんや。もう長くはない。
開祖さんと稲盛さんの弟子として、ど真剣に生きたから、ほんとに楽しい人生やったわ。
秘書 先生!「仏教精神に学ぶ経営者の集い」(平成30年12月16日)で講演の大役が待ってますよ。大聖堂ですよ!
福永 かんにんやで。あと3年あったら、「六花の会」を全国組織にできたかもしれんな。
わしを見つけて、光を当ててくれたのは國富敬二教会長(現教団理事長)や。國富さんを中心に「六花の会」を育てていくんやで。

 福永先生は平成30年11月17日に大往生されました。川端健之理事長さん(現教団顧問)が付けられたお戒名は「盛生院法眞敬德信士」。稲盛和夫さんと開祖さまの弟子として、ど真剣に生きられた先生を讃歎されたお戒名です。

筆者紹介

 竹嶋克之(たけしま・かつゆき)
「六花の会」事務局員。同じ寅年、阪神タイガースファン、下戸、甘党が気に入られ、福永正三講師の指名で秘書を務める。福永講師と全国を旅し、立正佼成会の「仏教経営者塾」を運営した。また、福永講師がコンサルを務めた盛和塾(稲盛和夫塾長、2019年閉塾)経営者とのネットワークづくりも担った。