2024
09.20

東北支教区「六花の会」福島教会鈴木正人

分かち合い

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はじめに 自己紹介を兼ねて 佼成会の教えがあっていまの私がある

 みなさん、こんにちは。ただ今ご紹介いただきました鈴木正人です。本日は宜しくお願いいたします。
 私は年齢63歳、福島県本宮市に住んでいます。家族は88歳の母、同じ年の妻、4歳の手乗り文鳥のピーちゃんと4人で暮らしています。仕事は税理士、行政書士、ファイナンシャルプランナーの資格を活かして、会計事務所、IT会社、経営コンサル会社、相続コンサル会社など5つの会社をMCSグループとして経営しています。
 約30年前、東京の会計事務所を退職して、家業の会計事務所を継ぎました。引き継いだ当初は社員5人の会計事務所からのスタートでした。その頃は世の中にパソコンが出始めた頃で、地方ではまだパソコンに慣れていない人たちが多くいました。私は何とかパソコンを使って経営や経理を効率化して欲しいと思いましたが、地元でそれをサポートする会社は無かったので、「じゃ、無いなら自分たちでつくってしまおう」と、数年後にIT会社を立ち上げました。そんな感じでお客様の悩みや困りごとに応えようとしていたら、いつの間にか会社が増えて現在のカタチになりました。

 私の佼成会との出会いは、今から約40年前、24歳の時です。その頃は東京の会計事務所に勤めていました。妻が佼成会の2代目でしたので、妻と結婚したらいつの間にか佼成会の会員になっていました。私が佼成会を一生懸命やるようになったのは、今から約30年前、31歳の時、東京から本宮に帰ってきてからです。

 それまで佼成会に興味が無かった私がなぜ一生懸命にやるようなったかというと、本宮に帰ってきてから税理士としての私自身の仕事がほとんどなく、営業してもすぐに仕事が増えることもなく、収入も激減し、「なんかうまくいかないな」と苦しむこととなったからです。東京にいた頃は年収が1,000万円を超えていたのに、本宮に帰ってきたら年収が100万円に激減しました。

 仕事やお金に執着する私の性格が功を奏したのでしょう。何とかこの苦境から脱したいと活動するようになりました。支部長さんからは「鈴木さん、こういうのがあるけど、どう?」とほぼ毎週のようにお電話やご訪問をいただき、あまり乗り気でないながらも、ご命日や式典、法座に参加し、教会長さんからのお話も沢山さん聞かせて頂きました。宿直のお役や県内の佼成会で開催していた企業繁栄研究会にも参加しました。手取りや導き、少ないながらもお布施もさせていただきました。

 教会に行っても、初めのころは、何を言っているのか理解できず、支部長さんや主任さんたちの明るさやエネルギーの高さにもついていけず、くじけそうになったり、教会に行きたくなくなったりもしましたが、家族や支部長さんはじめ周りの皆さんに支えて頂き、佼成会の教えを少しずつ理解できるようになり、学んだ教えを仕事で実践しながら、なんとかここまで続けて来られました。

 おかげさまで、当初5人からスタートした会計事務所はいま25人、お客様は県内が中心ですが、北は宮城県から南は東京まで、お客様の数は400を超えています。グループのIT会社はweb営業で東北から九州までの広範囲でお取引させて頂いています。MCSグループ全体の社員数は30人を超え、年商は約30年前に引き継いだ当初から約7倍にまで成長させて頂いています。社員も大きく成長し、ここ2年間は社員の給料を毎年5%以上昇給させて頂いています。佼成会との出会いが無かったら、佼成会の教えを頂かなかったら、今の私と家族は、社員と家族は、会社はどうなっていただろうと思うと、「ぞっ」とします。 

佼成会の教えとその実践を通して

 佼成会では沢山の教えを頂きました。せっかく教えを頂いたなら即会社で実践できればいいのですが、これが私にはなかなかすぐにできません。すると会社ではいろいろなことが起きて、その度に学んだ教えを実践し、また学んで実践、その繰り返しで良い方向へ変わってきていると感じています。具体例をご紹介したいと思います。
 
 まずは、自分が変われば相手が変わる、何と言っても最大の課題はこれです。
「自分が変われば相手が変わる?」「なんだって?」30代前半の当時の私にとってこれは衝撃でした。私にはまったく理解できない。今の私の状況は周りのせいであって、私に非は無い、変わるのは私ではなく周りだ、心からそう思っていました。
 その後、当時開催していた企業繁栄研究会で、講師さんから「ドブにねずみ、花に蝶」という言葉を教えて頂き、「ん?私はドブか・・・じゃ、花になればいいのか」と何となく腑に落ちてしまって、「よし、自分は花になる」と決心したのですが、これが簡単にそうはいかない。例えば、褒める行い、感謝の行い、この実践は自分が花になるために大切な実践のはずですが、教えを頂いた当時はすぐにはそう思えず、実践できませんでした。私は「褒める?バカを言っちゃいけない「人は叱られて育つ」「褒めて育つなら、こんな楽なことは無い」そんな感じでした。

 かつての私は、社員に厳しく接していました。言葉もきつく、私の圧が相当強く、トゲトゲだったらしいです。周りの先輩経営者や佼成会の古い幹部さんたちも厳しい方が多く、私は経営をする、人を使うということはそういうことだと思っていました。その頃は社員もよく辞めていきました。社員が辞める度に私はとても悲しい、切ない思いになり、「何がいけないのだろう」「どうすればいいのだろう」と悩み苦しみました。その際に頭をよぎるのは「自分が変われば相手が変わる」、この言葉ですが、なかなか実践できない。

 そんな状況が数年あって、6年前、会社のビジョンを幹部社員と一緒につくりました。それは「笑顔と幸せの社会を実現する」というものです。それまでも会社に理念はありましたが、表現が固かったので、その理念を残しつつ、柔らかい表現で伝わりやすいビジョンをつくったのです。我が社では、ビジョンとは「社員みんなで見たい景色」と意義付けています。
 ビジョンを会社においてから、少しずつ私の心も変わっていき、自分は何をしたいのか、自分はどうありたいのか自覚できるようになっていきました。すると少しずつ社員の良いところが見えるようになり、小さなことでも褒めることができるようになり、徐々に私のトゲトゲも減っていきました。私の変化に戸惑う幹部社員もいましたが、徐々に慣れていったとようです。

 自分が変わると周りが変わり、見える景色が全く違ってきました。かつては、自分がやりたいことがあっても、社員も周りも協力してくれず、前に進めない、うまくいかない、そういう景色だったのが、いまでは、社員も周りもみんな協力的、協力的どころかみんなが自分で考え自分で動く、自主的に動く人たちがたくさん周りに増えてきて、業績も上がっている、周りに笑顔が広がっている、そんな景色に変わっています。
 
 自分の成長を邪魔しているのは自分自身だ、これまでの経験からそのように思います。ビジョンに向かって私にはまだまだやりたいことがあります。ですから、これからも自分が変わることを継続し、成長していきたいと思います。そのためには経験体験が大事です。経験体験が人を成長させます。佼成会で教えを頂いたら実践が大事です。せっかく教えを頂いても実践しないともったいない、と思います。

終わりに 人が主役 ビジョンに向かって

 開祖さまの「経営者心得帳」という本の冒頭にこう書いてあります。

 「法華経は魂の教えであると同時に、人生の経営学である」と。

 今、時代は大きく変わってきています。土の時代から風の時代へ、また、正解のない時代、そう表現されたりもします。人々の価値観や考え方が変わり、今までのやり方では売上も思うように伸びず、今までのやり方だけでは経営もうまくいかないことが増えています。ますますITやAIが進化し、社会の仕組みも大きく変化していきます。私が経営する会計事務所やコンサル会社もどんどんITやAIにとってかわられていきます。でも、私は全く悲観していません。時代がどんなに変わろうとも、人々が生きる、暮らす、経済の営みが無くなることはないし、お客様にとって、社会にとって、会社が、社員一人ひとりがより価値ある存在になっていけば良いと思うからです。

 変化は大きなチャンスです。いま手にしているものに捉われ過ぎず、手放すものは手放し、より価値のある存在になるための努力を続ける。ITやAIが出来ることはどんどんやってもらう、むしろ積極的に進める。同時にITやAIに出来ないことを私たち人間がやっていけばいい。そこを磨いていく。

 おかげさまで、いま会社では従来の商品・サービスに捉われず、新たな商品・サービスが幾つか生まれています。社員のみんなには、お客様がさらに喜ぶことを、お客様がさらに良くなること、この視点で自由に考えて、失敗してもいいから、挑戦することが大事と伝えています。また、社員には「より広い視野で、より高い視座で、より長期的な視点で物事を捉える」ように、社員の裁量を増やし、より自主的に動ける職場環境へ作り変えを始めています。IT、AIによる効率化で生まれた時間を社員が考える時間、社員同士が話し合う時間、まずは失敗を恐れず試行錯誤する、そういう時間を増やすようにしてきています。すると社員同士のコミュニケーションも増え、ますます社員の動きが上がり、社員がどんどん成長しています。

 経営者心得帳にある「魂を磨く」、一人ひとりが魂を磨いて、自分の人生の経営をしっかりとやっていく、このことがこれからますます大事であると思います。「笑顔と幸せの社会を実現する」というビジョンに向かって、社員一人ひとりの人生が輝くように、みんなも私も輝くように、今後も精進して参ります。
                       合掌