2022
04.01
04.01

「庭野日敬開祖随行記」 第5回
第5回 「物も大事に使う」
晩年に、開祖さまがお使いになったお鞄の中身については、開祖さまに関する写真集や機関誌などで、既にご紹介されています。
そのお鞄は、大き目の黒色のパイロットケースであり、それなりの重量でした。
当然のことながら、秘書がご出張時も含めて、常にお鞄を持たせていただいておりました。
あるとき、傷の絆創膏など救急用品が入っている袋を出したとき、メンソレータムの容器が私の目に飛び込んできました。
なぜかと言うと、その容器は明らかに塗料が一部剥脱しているような古いものだったからです。私でしたら、長いこと使っているし、新しいものに買い替えようと即座に考えます。
しかし、開祖さまはそのようなことはお構いなしで、どこまでも物のいのちを拝まれ、大事にお使いになっていました。「使い捨て」という言葉など、およそ縁遠い話です。
開祖さまのお姿を拝し、物についても、徹底して大事に使うことが「リーダーの要件」なのだと、私は学びました。
筆者紹介
佐藤益弘(さとう・ますひろ)
「六花の会」共同推進責任者のひとり。26歳から41歳までの15年間、庭野日敬開祖の秘書を務める。その後、湘南・富山・福井・京都教会長を歴任。2013(平成25)年、西日本教区長・理事(京都教会長兼務)に就任し、2019(令和1)年から教団常務理事。