2022
08.01

「庭野日敬開祖随行記」 第9回

分かち合い

第9回 「長としての自覚と行動」

 昭和60年に行われた新日本宗教団体連合会(新宗連)の全国総会は、会場が広島ということもあって、原爆死没者慰霊碑に参拝する予定が組まれました。
 他教団とは、ダークスーツを着用すると打ち合わせていたのですが、開祖さまは既に儀礼服を用意されていました。私は開祖さまにスーツの着用をお勧めしました。
 ところが、厳しい表情をされ、頑としてうなずかれません。そして当日、新宗連理事長である開祖さまだけが、儀礼服を召されて参拝に臨まれたのです。
 他教団の先生方が平服でも、先頭に立つ理事長(開祖さま)が正装で慰霊に臨まれたことで、一行全体のまごころ、誠意がさらにはっきりと表れました。同時に慰霊がどれほど大切なことであるか、私は心に深く刻むことができました。
 人の上に立つ者の自覚、それに基づく行動のお手本を見せていただいた瞬間でした。

筆者紹介

 佐藤益弘(さとう・ますひろ)
「六花の会」共同推進責任者のひとり。26歳から41歳までの15年間、庭野日敬開祖の秘書を務める。その後、湘南・富山・福井・京都教会長を歴任。2013(平成25)年、西日本教区長・理事(京都教会長兼務)に就任し、2019(令和1)年から教団常務理事。