2021
05.26

人と人をつなぐ日本茶文化を若者に 有限会社お茶のあおしま
代表取締役社長 青島光俊(選名:克年)さん(静岡教会)

出会い

 静岡県産の茶にこだわり、見極め、製造、販売を行っている。今年で創業68年。青島光俊さんが事業を承継して、36年目を迎えた。
 祖父母は茶の生産農家。父は斡旋業を経て、茶問屋を創業した。朝は早く、夜は遅くまで働く父母の姿を見て育ったため、継ぐことは考えなかった。
 しかし、人と人をつなぎ、家族の団欒に欠かせない日本茶文化を学び直し、父の想いを継いだ。
 
「茶の見極めは、農家さんのお話をじっくり聞かせていただくことから始まります。お人柄、茶への想い、生産の創意工夫などを拝聴した上で、五感を研ぎ澄ませ、茶葉をセレクトしています」

 買い手が殺到する農家にも月日をかけて足繁く通い入手する。教会長の紹介で、大聖堂の食堂や聖堂ショップにも取引の縁を得た。事業は順調だったが、「このままの商売でいいのだろうか」と思慮していたころ、教会長から大聖堂で開催する『第1回 仏教精神に学ぶ経営者の集い』(2018年12月16日)の案内を受けた。

「前夜の懇親交流会には感動しました。全国の方と出会うことができ、また、経営のお話もできて、大きな勇気をいただきました。帰宅後、すぐに、六花の会のサイトでコミュニティ登録をしました」

 支教区には「仏教経営者塾」がないため、サイト内の体験説法動画で、経営を学んだ。「経営者は動かないといけない」という言葉に触発され、これまでやったこともない事業に挑戦した。新たな道が拓けた。

「静岡県の助成事業にエントリーしたのです。日本茶離れの若者に効用をPRする事業です。プレゼンも一発で通りました」

 エントリー前には、日本茶離れの原因をリサーチした。「若い人はお茶を飲む機会がなかっただけ」と大きな気づきを得た青島さんは、今までとは違う視点から商品開発に臨んだ。

「まずは、お茶に興味を持ってもらおうと、お茶工場の香りを感じる茶香炉と茶香を開発しました。茶香炉は、ひとつひとつが手づくりで量産ができません。それでも地元窯元の先生が、私の無理難題にお応えくださり出来上がったのです」

 多くの人の期待を受けながら営業に奔走する青島さんは、教会では支部壮年部長を務める。教えを経営に活かしていることを聞いた。

「まず人さまですね。多くの方々に支えられて商売ができていますから、生産者さん、従業員さん、お客さんが幸せになれる願いを経営方針に込めています」

 ■お茶のあおしま 経営方針■
 お茶を通してお客様、地域社会を笑顔にする
 〇お客様が笑顔になるお茶づくり…緑茶で癒しやおもてなしができるようにお茶づくりをします。
 〇報恩感謝…常に感謝の心を忘れません。今の自分があるのは沢山の方々のおかげであり、その思いに報いるような事業を行います。
 〇自利利他の精神を心がけます。思いやりの心をもって事業を行います。

 生産工場では、客の嗜好に合わせ、「マイブレンド茶」を短時間で整合する。産地の特徴をデータ化し、味を知り尽くした茶師の技は大好評だ。
 コロナ禍で売り上げは大きく減少している。それでも「まず動くこと」を胸に、青島さんは挑みつづけている。


ご連絡先

有限会社お茶のあおしま http://www.ocha-aoshima.co.jp/
日本茶の製造卸業、直販事業、イベント事業
お茶のあおしまFacebookページ
https://m.facebook.com/ocha.aoshima/
茶香炉・茶香の販売サイト
https://chasaji.thebase.in

※青島さんとのビジネスをご希望される方は、直接、お客様ダイヤル( 0547-38-3739 )にご連絡ください。その際、立正佼成会「六花の会」の○○です、とお伝えください。